トリガーポイント療法

「腰の痛みの原因は腰にある」 と思っていませんか?

「膝の痛みの原因は膝にある」 と思っていませんか?

トリガーとは引き金という意味で、痛みを持つ箇所の元となるポイントをトリガーポイント(血行の滞りによる筋肉繊維の塊=索状硬結)と言います。痛みは痛みを持つ箇所とそれ以外の筋肉の血行障害が原因となり関連痛としてもたらされていることが多くあります。その筋肉硬結の個所を探し出して痛みを取り去る療法をトリガーポイント療法と言います。

 

腰などの痛みで脊柱管狭窄やヘルニア、神経痛、すべり症と診断されているものの中には、「痛みの原因が骨や関節にあるのではなく筋肉の硬結に起因した関連痛である筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)の場合の方がはるかに多い」・・というのがトリガーポイント療法に携わる者の見解です。 

トリガーポイント療法概念の発生

 

トリガーポイントは米国の医師ジャネット・トラベルとディヴィッド・サイモンズによって発表された疼痛の基本概念です。痛みの原因は骨や関節の構造上の変形から神経が圧迫されているものではなく、筋肉の硬結にあるとするものです。

J.トラベル医師は J.F.ケネディ元大統領の主治医として有名です。ケネディ元大統領はトラベル医師に出会う以前、フットボールで腰を痛め腰椎椎間板ヘルニアと診断され、ヘルニアの手術をしましたが全く改善せず、その後固定術を行った結果いっそう悪くなりました。J.トラベル医師は大統領に選ばれる5年前のケネディ上院議員を診察しました。そして上院議員の腰痛は腰椎のヘルニアが原因ではなく背中や尻の筋肉の硬結が原因であることを突き止め、その治療に成功しました。それがきっかけで女性では初のホワイトハウス付きの医師となりました。

腰痛に悩む人の多くは、背骨を支えている脊柱起立筋が硬直し、押すと別の場所にも痛みの広がる硬いしこり(圧痛点)が生じています」(くつぬぎ手技治療院院長 沓脱正計院長)。この圧痛点が筋肉硬結である腰痛のトリガーポイントなのです。
たとえば椎間板ヘルニアについてイギリスの疼痛生理学の賢威パトリック・ウォール博士の著書『疼痛学序説』(横田敏勝訳・南江堂)によれば「椎間板ヘルニアの手術は70年以上もの間行なわれてきた。もてはやされたこともあったが、疑問が増し続けている。ヘルニアの突出と痛みはそれぞれ独立していて、痛みの発現におけるヘルニアの突出の役割ははっきりしない」と言います。
またマイアミ医科大学のヒューバート・ロズモフ教授も、「椎間板ヘルニアが痛みを引きおこす可能性は、3パーセントにも満たない」と言っています。

痛みの発生原因

石川県小松市で長年にわたって多くの疼痛患者を救ってきた小松市の加茂整形外科の加茂淳院長も、腰痛の原因については脊柱起立筋群と小殿筋に多くの原因があるとしています。また左記の著書では「『椎間板が神経を圧迫しても痛みは生じない』というのは、もはや医学的事実です」と記しています。

ひざの痛みについても、「ひざの痛みは変形性膝関節症や半月板損傷と診断される場合が多いですが、そもそも骨や関節の軟骨、半月板には神経が通っていない」と記しています。

ひざの痛みはひざの筋骨ではなく太ももの内側広筋の筋肉硬結に多くの原因があると言い、加えて外側広筋やふくらはぎのヒラメ筋にも硬結ができたり、大腿四頭筋やハムストリングに硬結があったりして、その関連痛によってひざ痛は引き起こされていると言います(わかさ2011年4月号)。

 

わかさ 2011年4月号
わかさ 2011年4月号

偏頭痛などの頭痛の8割はストレスからくる血行障害が原因といわれ、頭痛は頸部 (頭板状筋・胸鎖乳突筋など) の硬結であるトリガーポイントから関連痛としてもたらされている場合がとても多いのです。五十肩のように肩の三角筋、斜角筋の筋肉硬結が痛みをもたらしていることもありますが、関連痛も多くあります。

 

このように硬くなった筋肉の硬結は血液の循環を止めて電気を走らせ痛みを作ります。
ストレスに起因した自律神経の乱れ(交感神経の過剰)による血行障害は脳から足のつま先まですべてのエネルギー・栄養輸送の障害となります。脳梗塞を代表とする脳疾患、心疾患、がん、各部位の動脈瑠・静脈瘤、糖尿病、骨粗しょう症… そして高血圧まで多くの不調は血行障害と深い関係があります(本来、高血圧は血流を速める必要性を身体が感じて起こしている自然現象で無闇に下げることは危険。脳梗塞や閉塞性下肢動脈瑠などは降圧剤がもとでプラークを蓄積させてしまう場合があるとも言われる)。

 

血行不良は酸素の欠如をもたらし、筋肉の硬結を作ります。細胞は35%以上の酸欠になると100%ガン化します(オットー・ワールブルグ)。すべての心身の不調は酸素不足や冷えによる血行不良から生まれた問題と言っても過言ではないのです。
 

その意味でもトリガーポイント療法は三井温熱療法との相性は抜群です。三井温熱療法は対症療法的に痛みを取るのみでなく、熱による痛覚刺激で自律神経のバランスをとり血流復活(硬結緩解)という健康づくりの根幹的療法として期待されるものなのです。この三井温熱療法にトリガーポイント療法を応用することで、更に痛みは効果的に癒されていくことでしょう。

 

 当院のトリガーポイント療法の特徴

 

当院におけるトリガーポイント療法の特色は、指圧時に激痛を伴うときは初めから強く硬結部を圧さず、三井式温熱器で硬結部に強めに圧をかけながら注熱し、更にスーパーサーモも併用して患部に熱刺激を与えることで痛みを緩解していきます。


スーパーサーモに於いては首の後ろも温めます。首の後ろを温めることで副交感神経の働きが増し、筋肉の血管が膨張し、血流が増し筋肉がほぐれトリガー緩解を推進します。また筋肉に引っ張られていた頸椎も正しい位置に戻り脳幹の働きが増し、体温上昇を図ります。

更に経穴にはレインボーパワーを入れ、患部と硬結部には痛みの緩解に優れた効果をもたらす特殊オイルを使用します。その後、痛みの緩解にともない通院ごとにトリガーポイントの指圧圧力を上げていきます。

また時間があれば「BSセラピー」という脳幹療法をお勧めしています。脳幹の働きを取り戻すことで体温を上げ硬結の緩解を促進します。また筋骨のバランスも脳幹が指令を出して調整していて、腰痛や膝痛の予防には最適です。

 

当院は「トリガーポイント療法」に「三井温熱療法」「スーパーサーモ」「脳幹療法」「レインボー療法」を加えた日本で唯一の施療所です。

 
当院での改善例①

当院での改善例②

日本の痛み医療は遅れている!? 
  
▼私は日頃、すでに他の施設で診断され治療を受けているにもかかわらず、痛みがなかなか改善しないといって当クリニックを受診する患者にしばしば出会う。 彼らが受けている診断名は、腱鞘炎、関節炎、変形性関節症、肩関節周囲炎、頚椎および腰椎椎間板ヘルニアによる神経根症、脊柱管狭窄症など多岐にわたっているが、それらの患者のほとんどはMPS(筋・筋膜性疼痛症候群)である。従って私は、適切な診断、治療を受けられずに困っているMPSの患者はかなりの数に上るに違いないと考えている。(大分県 山下クリニック 山下徳次郎院長)

現在、我国では、筋骨格系疾患のほとんどが骨や関節の問題として扱われていることが常であり、筋痛症候群に対する理解は低い。筋痛を主訴とする筋痛症候群は長期間にわたり多種多様な症状を呈する慢性疾患である。その病態もすべてが解明されてはいない。(辻井 洋一郎 名古屋大学医療技術短期大学助教授)

トリガーポイント療法の知名度が低い理由

「誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方(エスクナレッジ発行)」より抜粋)

 

【私たちのクリニックに来る患者の大半がトリガーポイント療法によって慢性の痛みから解放されているのに、医学界ではこの療法はほとんど注目されていない。私たちはこの事実を何度となく伝えようとしてきた。
 手術の日程まで決まっていたが、トリガーポイント療法を試したところ痛みが去り、手術を中止した患者も多数いる。既に手術を受けた患者を治療したこともある。脊椎手術失敗症候群(FBSS)と診断されてもおかしくない患者もいた。(中略)

 筋膜トリガーポイント療法には複雑な装置や高価な設備は必要ない。実にローテクな方法だ。一方X線写真やMRIでは慢性の筋膜痛の存在は確認できないにもかかわらず、毎年何十万回ものこの種の検査がなされている。極端にいえば製薬会社や医療機器の提供者にとってはトリガーポイント療法の効果を確認するための研究に投資するメリットがほとんどないのである。(中略)

 また長い期間かけて医学を学んで医師になった者にとって、これから更に時間を割いて、新しくて少々難解な分野を勉強するのは、いささか過酷ともいえる。
 加えて、諸経費や保険料負担が重くのしかかる(特にアメリカの場合)クリニックの台所事情を考えれば、1時間以上もかかる痛みの治療法は、どうしても選択から外される。】

 

わかさ 2011年4月号
わかさ 2011年4月号

 また左記の月刊誌「わかさ」(2013.8月号)の加茂整形外科院長の加茂淳医師の文書を紹介します。

 

【私が今からお話しする内容は、しびれ・神経痛・関節痛で悩んでいる皆さんにとって衝撃的かもしれません。なぜなら、首痛・腰痛・ひざ痛・股関節痛・坐骨神経痛などの筋骨格系の痛みやしびれは「背骨や関節の異常によって神経が圧迫されたり、軟骨や椎間板が傷んだりすることが原因」という従来の定説を否定することになるからです。

 

 では、これら整形外科的な痛みやしびれを実際に引き起こしている真の原因は何か、その答えは、押さえるとズーンと響く筋肉の圧痛しこり「トリガーポイント」にあるのです。(中略)

 

 手術を受けても痛みやしびれと決別できずに悩む「痛み難民」が(日本では)急増しいるのです(2800万人)。(中略)  その一番の理由は、多くの医師と患者さんが、痛みやしびれの真の原因を見誤っているからです。(中略)

 

 ここで私は断言します。

 像検査で骨や関節の異常が見つかっても、それによって神経が圧迫されて痛みやしびれを引き起こすことは、生理学的に見てまずあり得ません。痛みやしびれは、検査画像には映らない別の原因で発生しているのです。・・「わかさ」(2013.8月号)より抜粋】

 

 また加茂先生は同書で、しびれと神経痛の実に95%は筋骨・関節ではなくトリガーポイントが原因であると言い切ります。だから痛み難民が今も急増しているのです。